マンションで光回線を利用している方は多いと思いますが、何気なくインターネットを利用していて接続が遅いと感じたことはありませんか?
具体的には、頻繁に動画の再生が更新のグルグルで固まったり、画面全体が真っ白になってウェブコンテンツが表示されないなどです。
一般的に、このような状態は、回線利用が集中することによって起こるものですが、マンションの場合はそれだけでなく、配線方式という大きな要因も関係しています。
この記事では、配線方式の種類と速度の関係を解説し、マンションで光回線を快適に利用するためのポイントをお伝えします。
マンションで光回線が遅くなる主な原因
建物の配線方式が共同利用方式
マンションで光回線の速度には配線方式が大きく影響します。
共同利用方式では、同じマンション内の他の住戸と光ファイバーを共有するため、混雑時に速度が低下したり、通信障害が発生したりする可能性があります。
専用配線方式では、各住戸に専用の光ファイバーが引かれているため、速度や安定性が高いです。
ルーターの性能不足または故障
マンションで光回線を利用する場合は、ルーターという機器を使ってインターネットに接続します。ルーターは、光ファイバーから受け取った信号を無線や有線で各デバイスに分配する役割を果たします。
しかし、ルーター自体の性能や設定が不適切だったり、設置場所や周囲の電波干渉などの影響を受けたりすると、インターネットの速度や安定性が低下することがあります。
接続しているデバイスが古い
マンションで光回線を利用する場合は、ルーターから無線や有線で各デバイスに接続します。しかし、デバイス自体の性能や設定が不適切だったり、ウイルスや不要なアプリケーションなどがインストールされていたりすると、インターネットの速度や安定性が低下することがあります。
回線速度を改善するには?
通信速度が遅かったり、Wi-Fiが途切れるといった現象が起きてる時に、まず試してもらいたいのがONU(ルーター)の再起動です。その次に接続しているスマホやPCなどのデバイスに問題(故障や古すぎるなど)はないか?という点。
例えば、このパソコンやタブレットだと問題ないのに、スマホの時だけWi-Fiが不安定になるなら、原因はそのスマホ本体にある可能性があります。ルーターとデバイスには何の問題もない場合は、回線側に問題がある可能性が高いです。
IPv6オプションに加入する
利用しているプロバイダがIPv6に対応しているなら、IPv6に申し込むことで、速度や安定性が改善される場合があります。プロバイダとルーターがIPv6に対応することで、高速で安定したIPoE(接続方式)が利用できます。
光回線を乗り換える
基本的にVDSL方式とLAN方式は遅いです。遅くて当たり前なので、どうしてもそれがストレスに感じるなら、光配線方式が使える事業者に乗り換えるしかありません。
また、光配線方式でIPv6を利用しているけど遅いのは、単純に回線事業者やプロバイダに問題がある可能性が高いので、この場合も他社への乗り換えを検討したほうが良いでしょう。詳しくはマンションの光工事と許可の取り方でも解説しています。
ホームルーターに乗り換える
物理的に光配線方式の工事が不可能な場合は、ホームルーターを選ぶという選択肢もあります。ホームルーターとは、コンセントから給電するだけで利用できる工事不要の家庭用Wi-Fiルーターです。
モバイルWi-Fiルーターと言うと、バッテリー内蔵で持ち歩くイメージが強いと思いますが、ホームルーターは自宅で使うことを想定して作られているので、モバイルルーターよりも安定した通信(エリアにもよる)を利用できる可能性があります。
もちろん回線速度や安定性は、光回線のほうが上ですが、最近のホームルーターは高性能なので、下手なVDSL方式やLAN方式の光回線よりも断然快適です。
光回線工事の許可の取り方と注意点
マンションに光回線を導入することで、WiMAXやSoftbank Airのような無線ルーターでつなぐよりも安定した通信が可能になります。しかし、光回線を導入するには、工事の必要性や許可の取り方など、知っておくべきこともいくつかあります。
工事の許可が必要な場合と不要な場合
光回線工事に許可が必要な場合と不要な場合は、自分の部屋まで光回線が通っているかどうかで決まります。
自分の部屋まで光回線が通っている場合は、許可は不要です。宅内工事だけで済みますので、オーナーや管理会社に迷惑をかけることはありません。自分の部屋まで光回線が通っているかどうかは、光回線業者に問い合わせることで確認できます。
自分の部屋まで光回線が通っていない場合は、許可が必要です。共用部分までしか光回線が通っていない場合や全く通っていない場合は、屋外工事も必要になります。
屋外工事では、電柱から自宅の外壁まで光ケーブルを通したり、壁に穴を開けたりします。これらの工事は、建物に傷をつけたり、住んでいる他の住人に迷惑をかけたりする可能性があります。工事の申し込みは、 必ずオーナーや管理会社の許可を取ってからにしてください。
特に賃貸物件の場合は、壁に穴を開けることや退去時の撤去費用などを説明して納得してもらう必要があります。宅内工事では、光コンセントやONU(回線終端装置)、ルーターなどを設置します。
それぞれの工事は、建物や作業員の技量にもよりますが、大体1~2時間程度で終わります。
工事の許可を得るためのコツと代替案
マンションの光回線工事をする場合は、オーナーや管理会社の許可が必要です。特に賃貸物件の場合は、壁に穴を開けることや退去時の撤去費用などを納得してもらう必要があります。
退去時に撤去工事を行うことを条件に許可をくれることもあるので、交渉では工事内容や撤去時の対応を分かりやすく説明することが大切です。
許可が得られない場合は、すでに開通済みの光回線業者を利用するか、戸建向けのプランを個人的に契約するかどちらかを選ぶ必要があります。
後者の場合は、料金が戸建てと同じで高くなりますが、その分建物内で回線を共有するわけではないので、回線品質が高くなるのがメリットです。
1階にテナントが入ってるマンションは注意
数年前、1階に企業のオフィスが(建物のオーナーもこの企業)入っている賃貸マンションに引越した時のことです。導入されていた無料Wi-Fiの速度が遅かったので、NURO光の対象エリアだったこともあり、戸建てタイプで申込みを行いました。
工事の日程調整まではスムーズにいったのですが、どうも管理会社と工事業者との連携が上手くいってなかったのか、MDF室(建物の回線を管理する部屋)の鍵がなく1週間ほど工事が延期に。
そしてしばらくして、再工事の日。外からMDFまで配線するには、1階にある企業のオフィスに立ち入る必要があるため、そこの企業の許可を取らないと工事ができないとのこと。これはさすがに無理だなとは思いましたが、ダメ元で交渉してみたところ、当然の如く「No」という返答がきました。
こればかりは仕方ありません。これに許可をしてしまったら、工事の度に業者をオフィスに入れる必要がでてきますからね。
このように、自宅のマンションが他社サービスの対象エリアになっていても、建物の構造上の問題で工事ができないことは珍しくありません。
同じ条件の建物で、新しい光回線の導入を検討している方は、事前に管理会社に新しい回線を建物に引っ張る工事は建物の構造上可能かどうかを聞いてみることをおすすめします。テナントがあっても、共有スペースから配線できるなら工事は可能なので。