日本の「大手キャリア」、すなわちモバイル通信の大手事業者は、元々はNTTドコモ、KDDI(au)、そしてソフトバンクの3社で構成されていました。
これらの企業は、長い間、日本のモバイル通信市場を支配してきました。しかし、最近では新たに楽天モバイルが加わり、現在では4大キャリアとして認識されています。
大手キャリアはなぜ高い?
プランの構造と料金設定
大手キャリアは料金プランが複雑で、消費者が理解しづらいのが一因です。特に通信容量が無制限のプランは、大手3社とも7,000円以上と高額です。
毎月50GB、100GBと使うヘビーユーザーであれば、月額7,000円以上でも、データ無制限ならむしろコスパが高いと言えます。しかし、日本人の大半は月に10GBですら余らす人ばかりです。
大手キャリアには、そのような小容量(月間3GB前後)で十分という方に適したプランがないんですよね。プラン自体はあっても、かなり割高に設定されています。
このようにプランの選択肢が、極端に限られるため、消費者は「無制限で高いプラン」か「小容量で割高なプラン」を選ぶことになりがちです。
政府との関係
大手キャリアの問題点として、政府関係者との密接な関係も挙げられます。過去には、日本の総務省と大手キャリア間の癒着が指摘されており、この関係が消費者にとって不利な料金設定を継続させている可能性があります。
設備投資とサービス品質
大手キャリアの高価格は、設備投資や維持費によるものです。品質の高い通信サービスを提供するためのコストが反映されているのです。これは、信頼性や通信速度を重視するユーザーにとっては必要なコストかもしれませんが、価格に敏感なユーザーにとっては負担となります。
シェアと認知度
大手キャリアの市場支配力は、依然として強く、これが高価格の継続を許しています。MMD研究所の調査によれば、大手キャリアとそのサブブランドは日本の通信市場の大部分を占めており、この寡占状態が価格競争を阻害しているのです。
大手キャリアを契約するメリット
通信速度と品質
大手キャリアは、広範囲にわたる自社の通信網を持っており、これが高速で安定した通信サービスを提供する基盤となっています。通信速度が速く、電波状況も良好なため、ビジネス利用やデータを多用するユーザーにとって重要なメリットとなります。
ただ、ここ最近は王者ドコモの回線品質評判があまり芳しくないんですよね・・・。ドコモの5Gギガホ(無制限プラン)の利用者ですら回線が遅いという声をよく耳にします。
同じように楽天も通信障害を頻発しており、ここ数年で一番安定しているのはソフトバンクなんじゃないかなと個人的には思います。
auの回線品質は良いものの、2022年には数日間にわたる大規模な障害が発生してしまいました。その点がマイナス評価の原因です。
経済圏で特典がある
経済圏とは、その企業や関連サービスによって形成されるエコシステムを指します。
近年、空前のポイント活用(ポイ活)ブームが起こり、各社は自社のサービスを中心にした経済圏でのシェア争いに力を注いでいます。
この経済圏で重要なのがポイント倍率や還元で、そこで重要となるのが、大手キャリアでの回線契約です。例えば、auではau回線を契約していると、au PAYに関連した決済キャンペーンの恩恵を受けられます。
また、auマネ活プランでは、au PAY ゴールドカードと組み合わせることで、Pontaポイントの倍率アップや大量還元も受けられます。
このように、ポイ活熱心な方であれば、大手キャリアの方が結果として得する可能性もあるわけです。
サービスの多様性とサポート
大手キャリアは、家族割引やデータのシェアプランなど、利用者に合わせた多様なサービスを提供しています。また、専門ショップが多く存在し、トラブル発生時のサポートも充実しています。
これらは、特にデジタルに不慣れなユーザーや安心を求めるユーザーにとっては大きな利点です。
しかし、最近はコスト削減の一環で携帯ショップも減少しているので、苦手意識を少しでも克服した方が自分のためにも、周りのためにもなると思います。
家族や複数台割引
大手キャリアは家族割引プランを提供しており、家族間での通話料金が無料になるなどのメリットがあります。また、一人で複数の端末を利用する場合の割引サービスもあり、複数のデバイスを持っているユーザーにとっては経済的です。
他にも固定回線とのセット契約でスマホ料金が割引されるサービスもあるので、大手キャリアでも割引を上手く適用することで、それなりに維持費を抑えることはできます。
国際サービス
海外での使用を想定しているユーザーにとって、大手キャリアの国際ローミングサービスは大きなメリットです。海外でも国内と同じようにスマホを使用でき、旅行や出張時の通信を安心して利用することが可能です。
これらのメリットを総合的に考えると、大手キャリアのサービスは高価格ながらも、その価値を見いだせるユーザーにとっては適切な選択と言えますね。